二代目嵐璃寛の宮本友治郎、三代目嵐徳三郎の傾城むさしの
にだいめあらしりかんのみやもとともじろう、さんだいめあらしとくさぶろうのけいせいむさしの
概要
巌流島での宮本武蔵と佐々木小次郎との決闘を敵討に変えているが、直接は享和3年(1803)序の読本『絵本二島英勇記(えほんにとうえいゆうき)』に基づいており、上方では人気の演目であった。友治郎は後に無三四(武蔵)となる主人公で、立廻りをしながら、むさしのが見せる手紙を読む、という場面である。背景は黄一色の、いわゆる「黄潰し」といわれる技法であるが、上からつるされた花の色と相まって、躍動感あふれる場面に華やかな雰囲気が醸し出されている。