烏枢沙摩明王像
ウスサマミョウオウゾウ
概要
息災(そくさい)・増益(ぞうやく)・調伏(ちょうぶく)・産生などを祈願する烏枢沙摩(うすさま)法の本尊となった画像。すべての穢悪を浄める力があるとされる。三目六臂の本像は、智証大師円珍様図像に一致する。作風は截金(きりかね)や彩色文様をほとんど用いず、装身具や持物などは裏箔(うらはく)を使用し落ち着いた効果をめざしている。こうした傾向は鎌倉時代の天台系仏画に見受けられるものである。なお表装には鎌倉時代の彩色曼荼羅の1部と、南北朝時代頃の紫絹金泥種子曼荼羅が転用されている。