大般若波羅蜜多経巻第二百二十八(七寺経)
ダイハンニャハラミッタキョウカンダイ228(ナナツデラキョウ)
概要
七寺一切経は、尾張国の在地官人大中臣安長の発願により、承安五年(一一七五)から治承三年(一一七九)にかけて書写された一切経である。現在でも巻子本三千三百九十八巻、折本一千五百五十六帖の合わせて四千九百五十四巻が伝えられている。天地の横界線を朱で引くのが特徴であるが、『大般若経』だけは縦横とも朱の界線である。 近年、この七寺一切経の中に既に散逸したと考えられていた疑経類が伝存していることがわかり、関係の研究者の注目を集めている。