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古筆手鑑 毫戦

こひつてかがみ ごうせん

概要

古筆手鑑 毫戦

こひつてかがみ ごうせん

奈良~江戸時代・8~19世紀

紙本墨書 彩箋墨書

縦36.2 横36.8 高10.4

1帖

銘文:(墨書)「妙法院宮尭恕親王外題/毫戦帖」 ; (墨書)「毫戦」

 手鑑(てかがみ)とは、古くは奈良時代から江戸時代までの優れた筆跡を、数行ずつ切って貼りこんだアルバム帖のことです。
 安土桃山時代に茶の湯が流行して、歌集などの巻き物や冊子本の一部を切って掛け軸に仕立て、茶の湯の席で鑑賞するようになると、優れた筆跡を切り取った「古筆切」(こひつぎれ)を集めることが流行しました。そこで登場したのが、このような手鑑です。公家や大名家の間で、高級な贈りものとして、ときに嫁入りの道具として尊ばれました。
 手元において眺めて楽しんだり、茶の湯の席で飾ったりしたようです。
 手鑑は折本の形式で作られることが多く、表面の最初に「大聖武」(おおじょうむ)とよばれる聖武天皇(しょうむてんのう)の筆跡、それに続いて、天皇、親王、公卿の筆跡を、裏面は聖徳太子(しょうとくたいし)からはじまって、高僧、歌人、武家の筆跡を貼るなどの決まりがありました。それぞれの筆跡の右横には、誰の筆跡かを記した極札(きわめふだ)が貼られています。これは、筆跡の鑑定をする専門家が記したものです。この作品は、そうした決まりごとに忠実に、さまざまな筆跡を集めていること、また、「高野切」(こうやぎれ)「本阿弥切」(ほんあみぎれ)「綾地切」(あやじぎれ)「兼輔集切」(かねすけしゅうぎれ)などの名品を多く含むことから、たいへん貴重な手鑑です。

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キーワード

手鑑 / / 古筆 / てかがみ

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