牡丹桜金銀珊瑚歩揺簪
ぼたんさくらきんぎんさんごびらかんざし
概要
真鍮製金色絵、二本足の歩揺簪で、一対(222と223)揃いで伝わる。金銅製の牡丹の下に珊瑚玉と金銅と銀の桜花を交互に配置し、銀製短冊の歩揺飾が下がる。歩揺簪は寛政年間に流行し、鎖の先に蝶や鳥・小鈴などを付けて、歩くたびに揺れ動いて音がするようにしたもので、主に上流階級で用いられて華美を極めた。文化・文政頃に江戸で廃れ、その後上方でも廃れて文久頃には全く絶えたとされるが、実際には近年まで作られ、使用されていた。花柳章太郎(1894~1965)の旧蔵品で平成15年(2003)に遺族の青山久仁子氏より国立劇場へ寄贈された。