文化遺産オンライン

一字金輪像

いちじきんりんぞう

概要

一字金輪像

いちじきんりんぞう

絵画 / 鎌倉

鎌倉時代・13世紀

絹本着色

113.9x86.0

1幅

重要文化財

密教の世界で宇宙の真理を表し、全ての仏の中心に位置づけられるのは大日如来ですが、その中でも最高位にあたるとされるのが一字金輪です。この像は宝冠や胸飾をつけることや、智拳印(ちけんいん)と呼ばれる手の形が大日如来の特徴を示していますが、腹部に車輪形を下げていることから、一字金輪であることがわかります。
密教では加持祈祷の際、その目的にあった本尊をお堂の中に掛けて用います。一字金輪像は息災や長寿を祈る際につかわれました。ただし、大変強い効力があるので、特定の人しか使用することのできない秘仏とされました。
この作品は鎌倉仏画の名品ですが、平安、鎌倉両時代の特質が調和する、過渡期的な作風で表されています。緑と青を基調に、ところどころに赤を入れる色の使い方、きりっとした顔つきなどに鎌倉時代の特徴が見られます。如来がまとう衣には、銀粉を膠(にかわ)に溶いて混ぜた銀泥を用いて、柔らかく繊細な線で細かい文様が施されています。また肌の感じも柔らかく、肉付きよく表されています。このような柔らかでふくよかな表現は、平安時代後期の仏画表現の名残をとどめています。

一字金輪像をもっと見る

東京国立博物館をもっと見る

キーワード

金輪 / 密教 / 大日如来 /

関連作品

チェックした関連作品の検索