松波神社の大永4年八幡宮造立棟札
まつなみじんじゃのたいえいよねんはちまんぐうぞうりゅうむなふだ
概要
大永4年(1524)松波神社の前身とされる八幡宮の造立に際して、作成されたものである。相模・丹波は当宮の神主と考えられ、大工として次郎兵衛と太郎次郎の名がみえる。願主として藤原朝臣斎藤中務丞孝親の署名と花押が記され、鎮守府将軍藤原利仁の後裔とされる斎藤氏を称する一族が関与している。この人物は、神社が所在する松波を本拠地とした有力氏族の松波氏に比定され、松波氏関係では地元に残される唯一の一次史料である。
本棟札は、松波氏の動向を探る上で重要な文字史料であるとともに、戦国期における当地の状況を知ることができる数少ない遺品として貴重である。