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性海寺の鬼追

しょうかいじのおにおい

概要

性海寺の鬼追

しょうかいじのおにおい

無形民俗文化財 / 近畿 / 兵庫県

兵庫県

兵庫県神戸市西区押部谷町高和1318

無形民俗文化財

鬼追の配役(鬼役)は、本鬼(赤鬼・青鬼)、チョケ鬼(走りともいう。赤鬼・青鬼)、子鬼である。
本鬼には赤鬼と青鬼があり、いずれも赤と青のつなぎの鬼衣を着て、白の晒を撚った鬼縄で、腹部(鬼役達は「ヘソ」と呼んでいる)を中心に、首、腰、股にそれぞれ掛け回し、腰から下へは褌の様にして体に絡め、締めるが、「ふぐり」は付けない。手には三本指の手袋を嵌め、足には足袋に草鞋を履く。顔に手ぬぐいで頬被りし、面を被る。
行事は、結衆寺院七ヶ寺(性海寺福智院・龍華院,近江寺,最明寺,西光寺,長福寺,宝珠寺)の住職による修正会法要で始まる。鬼追で使用される鬼面や鬼花は、本堂内陣の須弥檀前に置かれ、修正会の法要(読経と行道)が行われる。法要が終わると鬼面や鬼花は、鬼役の檀家に渡され、須弥檀背後、堂内で支度をする。修正会の法要を受けた鬼は、「悪鬼から善鬼となる」とされている。
 鬼追に使われる道具の内、鬼面は、本鬼の赤鬼面と青鬼面。チョケ鬼の赤鬼面と青鬼面がある。本鬼が手に持つ物は、鉞(マサカリ)と鉾、松明、鬼花である。この内、鉞(マサカリ)と鉾は代々伝承されている用具で、松明と鬼花は毎年檀家が作る。
本鬼が使用する木製の鉞(マサカリ)は、長い柄に木製の刃が取り付けられたもので、柄より前(刃先側)の刃面の裏表に「七つ目」(タガネ目)が刻まれ、後ろ側(頭側)には、猪目(ハート型)の透かしを開けている。鉾(ホコ)は、第五番東鉾で使われる持物で、刃の形状が三ツ又になったものである。
第七番東花で用いる鬼花(オニバナ)は、葉付きの榊に、五色(緑・黄・白・赤・黒)色紙とヤマブキの髄で作った柿の花(造花)を48個取り付けたもので、第七番東花(ヒガシノハナ)で使われる用具で、毎年年番の寺の檀家が作る。この鬼花の制作は、大変手間のかかるもので、年番の寺が1年かけて、鬼踊り・散華・檀家の御札用として700個用意する。
  本行事は、本鬼(親鬼)と子鬼に加え、本鬼のもどきともいえるチョキ鬼が登場する点、鬼の花(柿の花)とよばれる造花や大鏡餅(鬼の餅)で荘厳される点、内陣と外陣の長押にかけられた青竹に挟んだ鬼の餅を、赤鬼が斧で割る所作や赤鬼・青鬼が右手に松明、左手に榊の葉の付いた枝に紙の花型をつけた鬼花を持って踊る所作がある点などの特色がある。

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キーワード

/ 松明 / 鬼面 /

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