花丸文珊瑚彫嵌櫛・笄
はなのまるもんさんごちょうがんくし・こうがい
概要
鼈甲製、新橋形、角棟の挿櫛と笄の揃いである。新橋形は明治33年(1900)頃から流行したとされ、雑誌『流行』(1900年)では若向き年増向きともに一般にもてはやされたとされる。同じ形状をカタログ『三越』(1911年)では操形としており、25,6~30歳向きとしている。黒漆地に花の丸文を珊瑚の彫嵌で表す。花の丸には、菊・撫子・萩・桔梗などを高彫りする。花柳章太郎(1894~1965)の旧蔵品で平成15年(2003)に遺族の青山久仁子氏より国立劇場へ寄贈された。