松竹梅鶴亀貝鹿角金銀珊瑚歩揺簪
しょうちくばいにつるかめかいかづのきんぎんさんごびらかんざし
概要
金銅製、二本足の歩揺簪で一対(206と207)揃いで伝わる。松竹梅の飾りは金銅製で梅の蕊と蕾に珊瑚玉を付け、貝製の鶴と鹿角製の亀を添える。歩揺飾りは閉じた扇と折形の蝶、珊瑚玉が下がる。歩揺簪は寛政年間に流行し、鎖の先に蝶や鳥・小鈴などを付けて、歩くたびに揺れ動いて音がするようにしたもので、主に上流階級で用いられて華美を極めた。文化・文政頃に江戸で廃れ、その後上方でも廃れて文久頃には全く絶えたとされるが、実際には近年まで作られ、使用されていた。花柳章太郎(1894~1965)の旧蔵品で平成15年(2003)に遺族の青山久仁子氏より国立劇場へ寄贈された。