桜蝶金銀珊瑚歩揺簪
さくらにちょうにだんがざねきんぎんさんごびらかんざし
概要
銀製金色絵、二本足の歩揺簪で、一対(226と227)揃いで伝わる。真鍮銀鍍金と珊瑚玉の桜の飾りがあり、蝶文の真鍮銀鍍金の歩揺飾が下がる。歩揺簪は寛政年間に流行し、鎖の先に蝶や鳥・小鈴などを付けて、歩くたびに揺れ動いて音がするようにしたもので、主に上流階級で用いられて華美を極めた。文化・文政頃に江戸で廃れ、その後上方でも廃れて文久頃には全く絶えたとされるが、実際には近年まで作られ、使用されていた。花柳章太郎(1894~1965)の旧蔵品で平成15年(2003)に遺族の青山久仁子氏より国立劇場へ寄贈された。