刀 銘 和泉守藤原国虎/元禄十一年戊寅八月日
かたな めい いずみのかみふじわらのくにとら/げんろくじゅういちねんつちのえとらはちがつひ
概要
鎬造、庵棟、中鋒。鍛は小板目約み、刃文は沸の強い直刃調で、刃中に長く砂流しが入る。帽子は表裏とも小丸に返る。茎は先刃上がりの生茎で、鑢目は化粧鑢、目釘孔2つ開く。茎表には十六弁菊花紋を刻み、その下に「和泉守藤原國虎」、茎裏には「元禄十一年戊寅八月日」の年紀銘を切る。国虎(1658-1713)は、大坂の井上真改あるいは京都の伊賀守金道の門人とされる。19歳で奥州磐城平藩3代藩主の内藤義概(1619-1685)に召し抱えられ、貞享元年(1684)に和泉守を受領、あわせて菊紋を拝領した。現存作の極めて少ない国虎の在銘作として貴重である。