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成女身

概要

成女身

彫刻 / 木像 / 大正 / 昭和以降 / 日本

橋本平八  (1897-1935)

はしもとへいはち

1926(大正15/昭和1)年

H180.4

 作者の橋本平八(一八九七~一九三五)自身が自己の代表的な作品の一つとして挙げている女性像。作家自身によると、「成女身」は「化して女身となる意」。「偏円幾何形態を基調とする立体の構成についての試み」が、この作品の特色という。理解しにくいところもあるが、恐らく一本の木材が持つ当初の形に従った制約に従いつつ、だ円や円筒という基本的な形態の中でどのような彫刻表現が可能かを試みた作と理解することができるだろう。また、主題は女性像であるが、この像は単なる女性の肖像彫刻ではない。
 作者には、その背後に何か霊的な存在、世界を構成している目には見えない何物かを表現したいという意識があったのではないだろうか。そうした作者の思索、さらに「木」というものに寄せる日本人独特の感覚、そうしたものが複雑に絡み合って、この作品が持つ大きな存在感が生まれているといえるだろう。(毛利伊知郎)

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キーワード

/ 平八 / 彫刻 / 作品

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