熊野百景写真帖
くまのひゃっけいしゃしんちょう
概要
明治33年(1900)5月に新宮の写真家・久保昌雄(1864~1938)が、皇太子(後の大正天皇)の成婚を祝して、熊野の景観から百景を選んで写真帖を献上した。これが好評であったため、焼き増しされたのがこの写真帖である。新宮から本宮・湯峯・瀞峡までと三輪崎から那智山までを1帖に、那智から太地・古座・串本までと鵜殿から七里御浜・有馬、尾鷲までを残り1帖に収めている。名所・旧跡の景観を撮影した写真が多いが、中には熊野川の筏流しや帆船・曳船・三輪崎浦の捕鯨など、当時の産業や生活をうかがうことができるものもある。