大鏡〈巻第二、五、七/〉 おおかがみ

 / 鎌倉 / 近畿 

鎌倉
3帖
重文指定年月日:19970630
国宝指定年月日:
登録年月日:
公益財団法人冷泉家時雨亭文庫
国宝・重要文化財(美術品)

 『大鏡』は『栄華物語』につぐ歴史物語で、藤原道長の栄華を称え、文徳天皇の嘉祥三年(八五〇)から後一条天皇の万寿二年(一〇二五)に至る歴史を問答体と紀伝体で劇的に構成した作品である。『大鏡』の成立は万寿二年以降とする説が有力であったが、その多くが作者論とかかわっており、近年では十二世紀初期の成立とみる説が優勢である。
 現在する『大鏡』諸本は、(一)古本系、(二)流布本系、(三)異本系に大別される。近時新出になる冷泉家本は、八巻中の巻第二、五、七の三巻分を存するのみだが、異本系の現在最古写本と認められるものである。体裁は綴葉装で、いずれも共紙表紙左肩に「代系『幾』」との別筆外題がある。料紙は楮紙を打紙して用い、本文は真名交り文で、四字程度の連綿体を交えた温和な書風をもって、半葉一一行、一行二一字前後に書写し、所収歌はおよそ一字下げに二行書としている。筆跡は各冊で異なるが、書出ごとに「一、太政大臣為光」のように人名項目を掲げて尻付があり、文中の真名には墨傍訓が稠密に付されているほか、行間には勘物注記などがみえている。奥書等はないが、体裁筆跡等からみて鎌倉時代中期を降らぬ古写本と認められる。
 各巻の構成は、巻第二が左大臣冬嗣条から太政大臣実頼条に至る本文を完存する。巻第五は太政大臣兼通から内大臣道隆条の途中までを存し、以下、右大臣道兼条末に至るおよそ一括分を欠失している。巻第七は「藤原氏物語」の「一、太政大臣道長のおとゝハ」から「昔物語」の「いますこし留事ともはきかせ給てまし」までの一巻分を完存する。
 冷泉家本を他本と比較すると、その巻立…

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