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古今和歌集〈上下/〉

こきんわかしゅう

作品概要

古今和歌集〈上下/〉

こきんわかしゅう

その他 / 平安 / 関東

神奈川県

平安

紙本墨書 綴葉装冊子本

縦23.4cm 横14.8cm

2帖

神奈川県川崎市多摩区東三田2-1-1

重文指定年月日:19910621
国宝指定年月日:
登録年月日:

学校法人専修大学

国宝・重要文化財(美術品)

 宝治三年(一二四九)に花山院(藤原)師継(一二二二-一二八一)が書写した『古今集』の古写本である。
 体裁は綴葉装、紺地牡丹唐草宝尽文金襴の後補表紙を装し、鳥ノ子題簽に「古今和歌集上(下)」と墨書外題がある。本文料紙は楮紙(打紙)を用い、巻頭に仮名序を半葉九行、注は小字双行に書写し、本文は「古今和歌集巻第一」の内題以下、半葉九行に流麗な筆致に書かれ、和歌は一首一行書、詞書は約二字下げに記している。下帖本文末には半葉二枚の白紙をおいて墨滅歌が記され、ついで真名序が半葉七行に書写されている。本文は完存し、所収歌は墨滅歌一一首をあわせて一一一一首である。
 文中、仮名序には俊成本との校合や異本注記、まま朱声点、拘点がみえ、本文中には勘物注記のほか、墨、朱の異本校合、朱声点、拘点が、また真名序には俊成本との校合注記をはじめ、墨仮名点、声点、返点、朱ヲコト点(紀伝点)、返点が稠密に付されている。これらにみえる俊成本との比校の跡は、「昭和切」との一致も少なくなく、その比校に用いた「俊成卿本」の原形を考える上にも注目される。
 下帖末には貞応二年(一二二三)七月廿五日藤原定家本奥書についで、宝治三年二月九日皇后宮権大夫花山院師継の書写奥書があり、この本が藤原為家から為氏に相伝された定家自筆本を師継が自ら書写したことを記している。続いて師継は同じく建長元(宝治三)年四月十九日、同廿四日、同廿七日、五月四日と校合を重ね、さらに権大納言(一二五五-一二七一)の時に俊成自筆本によって校合を加え、真名序、仮名序にも注記したことを記し、自ら「一流之証本」と自負し…

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