東海道五拾三次之内 36 御油《旅人留女》 とうかいどうごじゅうさんつぎのうち 36 ごゆ たびびととめおんな

木版画 

歌川広重 (1797-1858)
うたがわひろしげ
日本
天保4-5年(1833-34)
木版多色刷
22.6×34.4cm
1

御油の宿では日暮れにもなると、「留女(とめおんな)」と呼ばれた女たちの旅籠への客引きがさかんで、画中のような有様も決して大げさではなかったようだ。『東海道中膝栗毛』には「両がはより出くる留女、いずれもめんをかぶりたるごとくぬりたてるが・・」とあるが、その情景そのままの図だ。最前の男は風呂敷を引っ張られ苦しそうな顔が滑稽。後ろの男も袖を引っ張られ困惑の様子。画面右の旅籠の中の様子も面白い。あきらめて草鞋を脱ぐ男に足洗の盥を差し出す老女。その軒に下がった講中札には右から、この版では切れて読めないが「三拾五番」(東海道三十五番目)、「東海道続画」(この版画のシリーズのこと)、「彫工治郎兵ヱ」(彫師の名)、「摺師平兵衛」(摺師の名)、「一立斎図」(広重の名)と、『東海道五拾三次之内』の出版スタッフが紹介してある。さらに奥の壁には大きな円に「竹之内版」と版元の宣伝がされている。この版が刊行された頃は、仙鶴堂は出版から手を引き、保永堂の独占になっていたのであろう。よく見ると画面左端の旅籠の名前は「大当屋」。『五拾三次』が大あたりや、と、遊び心溢れる版図である。

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