武蔵埼玉稲荷山古墳出土品
むさしさきたまいなりやまこふんしゅつどひん
概要
出土品のうち、金錯銘鉄剣【きんさくめいてつけん】は、わが国古墳出土品中の白眉である。百十五字からなる銘文は、五世紀のわが国の古代社会が大きく変容をとげている時期のきわめて数少ない同時代史料で、現存最古の日本の文章といえる。その内容は、古代氏族の在り方を伝え、『古事記』、『日本書紀』に伝えられた日本古代国家の歴史を一層明らかにするもので、古代史研究上特に価値が高い。同時に伴出品も鉄剣銘との関連において、古墳時代遺物の編年研究上貴重な資料であり、その学術的価値はきわめて高いものがある。