絹本著色不動明王八大童子像
けんぽんちゃくしょくふどうみょうおうはちだいどうじぞう
概要
本図は通例の不動明王八大童子像と異なり、諸種の八大童子像を集成して図様を成した特異な一本として注目される。細勁な描線は流麗の気味を帯び、技巧の練達を感じさせる。彩色は総じて淡く、金箔や金泥をほとんど用いず、文様も少ない。画絹の裏面全体に丹を塗っているとみられる作画法も特徴的である。迦楼羅の全身を意匠化した火焔光の扱い方には自然さがあり、表現は全体に古様を保っている。制作の時期は鎌倉時代中期に上ると思われる。