円仁入唐求法目録〈開成四年四月二十日/〉
えんにんにっとうぐほうもくろく
概要
円仁が入唐の翌年に当る唐の開成四年(承和六年)四月、楊州で求得した聖教・曼荼羅等を書き上げて作成した求法目録である。本巻は平安後期の嘉保二年に書写された古写本で、円仁の請来品を収納した蔵として有名な叡山前唐院の原本、もしくはそれに近い古本を底本にした円仁在唐目録の現存最古本である。附【つけたり】の一巻は、右の嘉保二年本を保安四年に目貝が写したものを、さらに鎌倉中期に書写し、承和十四年円仁帰朝直後に報告された入唐新求聖教目録の抜抄を併記したものである。
紙背には寛元三年、宝治二年の文書十二通がある。