絹本著色日吉山王宮曼荼羅図 けんぽんちゃくしょくひえさんのうみやまんだらず

絵画 / 南北朝 / 近畿 

奈良県
南北朝
1幅
奈良国立博物館 奈良県奈良市登大路町50
重文指定年月日:20040608
国宝指定年月日:
登録年月日:
独立行政法人国立文化財機構
国宝・重要文化財(美術品)

 本図は、日吉山王社の神体山である八王子山を中央に大きく表し、その麓に展開する各社殿を、背後には琵琶湖から雪を戴く比良山系に至る広い景観を俯瞰構図により描いたものである。画面上方には日吉山王二十一社の本地仏および祭神の画像を、本地仏の種字、本地仏名、社名とともに整然と並べて表す。その配置は概ね上七社を中央に、その左右に中七社、さらにその外側左右に下七社を配するものである。
 日吉山王信仰の曼荼羅は、これまでに七件が重要文化財に指定されているが、滋賀・延暦寺本、島根・鰐淵寺本、滋賀・西教寺本、滋賀・浄厳院本は本地仏像または神像を左右相称の基本構図に基づいて整然と配するもの、東京・霊雲寺本、滋賀・百済寺本は自然景のなかに本地仏像あるいは神像を配するものである。これに対して自然景と社殿を描く宮曼荼羅形式の作品として最も制作期の古い奈良・大和文華館本(近畿日本鉄道株式会社所有)があるが、大和文華館本は上七社のみの社殿を実際の配置に配慮しながらも、大きく正面観で描くものである。対して本図の、視点を遠くとり、俯瞰構図によって神体山たる八王子山を中心とする雄大な自然景を細密な描写によって表現する点は、日吉山王曼荼羅図の古い作例には稀な大きな特徴といえる。基本的構図を本図と同じくする作品に室町期の制作とみられる延暦寺蔵・日吉神社社頭絵図などがあり、本図の構図が以後の日吉山王宮曼荼羅図に継承されていったことがうかがわれる。
 本図には旧表背貼付紙の墨書が付属しており、三度にわたる修理銘などが記されているが、最も古い「日輪院長瑜」の文安四年(一四四七)の裏書に…

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