鬼来迎
きらいごう
概要
山武郡横芝光町虫生の広済寺の施餓鬼法要(八月十六日)の後に演じられるもので、仏法の説く因果応報の理法を劇に仕組んで演じる。物語は、地獄に落ちた罪人を鬼が責めるが、やがて地蔵菩薩の慈悲によって救われるという筋を、「大序」「和尚道行」「墓参」「和尚物語」「賽の河原」「釜入り」「死出の山」の七段に仕組んで、仮面劇として展開する。芸能の来歴はつまびらかではないが、古風な鬼面が遺存しているなど歴史も古く、しかも類例のほとんどない芸態を持ち伝えている点は、芸能史的にも貴重なものである。