小鼓裏革
こつづみうらがわ
概要
小鼓は能楽で用いる打楽器で、胴・革・調べ緒からなる。胴は全長約25センチで、主に桜材で作られている。革は直径約20センチで、若い馬の革を多く用いる。胴と革は調べ緒で連結され、演奏中は調べ緒の締め付け具合で音色を変化させる。また、革に息を吹きかけたり唾液をつけたりすることで湿度を保ち、柔らかな音を維持する。
裏革として使用されていたもので、古革で飴色になっている。大正のはじめまで金沢に存在していた鼓屋「丁金」製で安政六年未六月の墨書がある。
GK13の表革とともに薄緑色緞子の革袋に入って伝わった。シテ方観世流・楠川正範(1907~1969)師の旧蔵品である。