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禽獣図

4面(旧永島家襖絵)

概要

禽獣図

4面(旧永島家襖絵)

絵画 / 日本画 / 日本

曾我蕭白  (1730-1781)

そがしょうはく

制作年不詳

紙本墨画淡彩

各171.5×85.6

襖4面

重要文化財

 この作品は伊勢参宮街道沿いのある旧家の室内を飾っていた全部で四十四枚の襖の一部である。襖絵は主題によって数種類のグループに分けられるが、各グループは、墨の扱いにおいてもそれぞれに異彩を放っている。いわば、さまざまな墨技の展示場の趣すらもっているのである。
 作者である曾我簫白は墨の使い手としては、江戸時代でも傑出した存在であった。そうした彼の面目を伝える作品が、三重県には多く残っている。それらは、きわめて端正な筆遣いのものから破調の大胆なものまで、非常に広い振幅を形成している。
 先ごろ、国の重要文化財に指定された松阪市の朝田寺の「唐獅子図」が後者の代表例だとしたら、掲出のものは墨の濃淡の効果や余白の雰囲気を綿密に計算したうえでつくりあげた、前者に近い作例のひとつといえるだろう。
 題は「禽獣図」となっているが、後ろ向きのシカ・フクロウ・タヌキ・コウモリの意味ありげな視線や動作は、単なる生態学的な動物画ではなく、なにかしら寓意的なものを感じさせる。 (山口泰弘)

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キーワード

蕭白 / / 永島 / 曾我

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