波に水鳥図
6面(旧永島家襖絵)
概要
「波に水鳥図」6面は、現在では、「波濤群鶴図」 とは別個の作品と考えられているが、本図の図様が 「波濤群鶴図」 向かって左方につながることと、両図における款記の有無などを考慮すると、もともと本図は「波濤群鶴図」と一連のものとして制作された可能性がある。
画面右端には「波濤群鶴図」から続く波の一部が描かれるが、これに続く画面中程には、外隈による2羽の水鳥が配され、それに呼応するように、左端の岩礁上にも1羽の水鳥が描かれて画面全体を終結させている。
淡墨を多く用いて、余白を多くとった本図は、「波濤群鶴図」とはかなり異なった印象の作品となっているが、そうした両図の 表現の差は、同一室内における空間構成を考慮してのこととも 考えられる。