旧三上家住宅(京都府宮津市河原) 新座敷
みかみけじゅうたく しんざしき
概要
三上家は,宮津城下の西方にあり,近世には酒造業,廻船業,糸問屋等を営んでいた商家である。河原町通りに面して屋敷を構え,妻入の主屋を中心として,南側に新座敷,庭座敷を連続し,北側に釜場と酒造蔵などを配している。
主屋は天明3年(1783)の宮津大火で類焼し,同年中に建てられた。新座敷は文政3年(1820),酒造蔵は文政13年(1830),庭座敷は天保9年(1838)の建設とわかる。
商家としては規模も大きく,主屋に加え,別棟で建つ接客空間も上質なつくりで,酒造蔵や釜場などの施設もよく残り,高い価値がある。
主屋は徹底した防火構造の採用や隅扇垂木の軒廻りなどに特色があり,建築時の状況も普請関係文書から知ることができ,貴重な遺構である。