旧田中家住宅
きゅうたなかけじゅうたく
概要
田中家は、関町新所で江戸時代後期に栄え、当主は代々「庄右衛門」を襲名した。元禄15年(1702)に宗家である田中庄左衛門家から分家し、現在地に居を構えた。分家当時の家業は明らかではないが、江戸時代中期以降、古着商・質屋等を営み、また、関宿周辺に広大な土地を有し、ここから上がる米を資本として財を成した。
屋敷は、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている関宿の、街道南側にあって大きな間口の屋敷を構えている。旧田中家の街道に面した間口は八間余(15.9m)あるが、これは一般の町屋の2~3軒分にあたる。
屋敷内には、街道に面した主屋・離れ座敷のほか、文庫蔵・土蔵・井戸館・納屋・物置・長屋門があり、これら建物及び木塀により隣家及び道路との境としており、屋敷全体が明確に区画されている。
主屋の建築年代は、江戸時代後期に遡ると考えられるが、具体的な年代を示す資料等はない。離れ座敷は、主屋に増築されており、明治時代初年頃と推定される。文庫蔵は、家財を収めた土蔵で、建築年代は不明であるが明治時代初年頃の建築と推定される。