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浅葱地芭蕉蝸牛模様肩衣

あさぎじばしょうかぎゅうもようかたぎぬ

概要

浅葱地芭蕉蝸牛模様肩衣

あさぎじばしょうかぎゅうもようかたぎぬ

染織 / 能楽 / 江戸 / 東京都

江戸中後期・18~19世紀

丈72.0 肩幅34.1

1領

渋谷区千駄ヶ谷4-18-1 国立能楽堂

収蔵品番号 KS32

未指定

 浅葱地の狂言肩衣で、背に大きくゆったりと芭蕉の葉を描き、芭蕉の葉先に蝸牛を一匹止める。前面にも肩に小さな芭蕉の葉と裾に小さな蝸牛一匹を配している。
 芭蕉は中国原産で、様々な伝説を伴い、古くは鑑賞用として庭園に植えられた。日本では松尾芭蕉の俳号が浮かぶ。「芭蕉を移す詞(ことば)」に自らが記すように、江戸深川の居宅に芭蕉を一株植え、それが増えて草庵の軒も隠れるほどになって芭蕉庵と呼ばれるようになったという。当時の江戸では珍しかったのであろう。
 能楽とは縁が深く、金春禅竹作の能〈芭蕉〉はこの世の無常がテーマで、楚国湘水の僧のもとに訪れる女は芭蕉の精で、夏の巨大な芭蕉の葉が冬には枯れるはかなさが語られる。
 また山伏扇には芭蕉の葉が描かれているものがあり、狂言の肩衣にも芭蕉が描かれたものは比較的多い。蝸牛を添えたものは近世以降の美術工芸品に多くみられる。これらはみずみずしい夏の芭蕉と小さくても強い蝸牛の生命力を意図しているのであろう。 胸と背に薺紋が据えられている。

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キーワード

肩衣 / Shibuya / 渋谷 / Tokyo

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