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浅葱地月不如帰模様肩衣

あさぎじつきにほととぎすもようかたぎぬ

概要

浅葱地月不如帰模様肩衣

あさぎじつきにほととぎすもようかたぎぬ

染織 / 能楽 / 江戸 / 明治 / 東京都

江戸後期~明治・19世紀

丈68.5 肩幅69.8

1領

渋谷区千駄ヶ谷4-18-1 国立能楽堂

収蔵品番号 KS30

独立行政法人日本芸術文化振興会

未指定

 満月にたなびく雲、そして口を半ば開いて鳴く不如帰を浅葱地に染め表したもので、墨絵のような表現と背中に大きく取った余白が余韻と哀愁を感じさせる。
 ホトトギスは渡り鳥で、日本には5月にやって来て、8~9月に南方へ去る。杜鵑、杜宇、蜀魂、時鳥、子規、田鵑、霍公鳥、郭公等の字を当てることもある。杜宇、蜀魂、不如帰は中国の故事や伝説による。傾きかけた蜀の国に杜宇という男が現れ、農耕を指導して再興し、帝王となり、後に山中に隠棲して没した。その霊魂はホトトギスに化身し、農耕の季節が来ると鳴いて民に告げた。後に蜀は秦に滅ぼされると、化身のホトトギスは嘆き悲しんで、「不如帰去」(帰ることができない)と鳴きながら血を吐いたという。
 一方日本でも古くから和歌に詠まれ、『万葉集』でも百五十首余が詠まれている。卯の花や橘との取合わせが多いが、月とともに詠んだ和歌も少なからずある。近世に至るまで絵画や工芸意匠にも多く用いられた。胸と背に薺紋が据えられている。

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キーワード

Shibuya / 肩衣 / 渋谷 / Tokyo

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