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浅葱地稲穂福良雀模様素襖

あさぎじいなほふくらすずめもようすおう

概要

浅葱地稲穂福良雀模様素襖

あさぎじいなほふくらすずめもようすおう

染織 / 能楽 / 江戸 / 東京都

江戸中期・18世紀

丈77.0 裄91.5

1領

渋谷区千駄ヶ谷4-18-1 国立能楽堂

収蔵品番号 KS9

未指定

 狂言に使用する素襖は、武家で無位無官の者が着用する素襖にならった上下共裂の装束で、下の袴は長袴となる。武家で五位の諸大夫が着用する大紋に似るが、紋が小さいこと、紋の位置に付ける緒や菊綴が丸組の組紐でなく、革緒であることが異なる。本作は元は長袴と一具であったとみられる。
 浅葱地にパターン化した稲束と膨雀をリズミカルに配し、抱沢瀉紋を染め表している。稲束は刈り取った稲を扱いやすく束ねたもので、豊作を表す。
 また秋に農作物を食べ、まるまると肥え太った膨雀は、「福良雀」の字を当てるくらいで、豊穣の象徴である。吉祥文であり、家紋にもなっている。この素襖に表されたような円に羽根と頭が付いた図案化された膨雀は、18世紀の根付の造形にもみられる。この素襖もやや古様であり、18世紀の文化的背景から生まれたものと考えられよう。胸と背と袖に「抱沢瀉紋」が据えられている。

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キーワード

素襖 / 長袴 / / Shibuya

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