国民服
こくみんふく
概要
国民服
こくみんふく
富山県高岡市
昭和15~20年/1940~45年
茶褐布・乙号・裁縫
上衣:着丈67.4cm、裄丈78.6cm
袴:ウエスト86.8cm、股下68.4cm
1枚
富山県高岡市古城1-5
資料番号 2-01-01-73
高岡市蔵(高岡市立博物館保管)
戦時中に着用されていた国民服上下1着である。寄贈者によると、寄贈者の祖父が着用していたとのこと。
国民服には、大きく分けて甲号(胸ポケットが縦型)と乙号(胸ポケットが横型)に区別されるが、本資料は乙号(開襟式)である。
多少のシミが見受けられるが、状態は極めて良好。
〔国民服〕
国民服とは、日中戦争下の昭和15年(1940)11月1日公布施行の国民服令で制定された男子の服装。国防色(軍服の色/カーキ色)の上衣と袴(ズボン)、中衣(シャツ)、帽、外套(コート)、手套(手袋)、靴からなり、甲号と乙号の2種があった。制定の狙いは、軍民被服の近接、被服資源の有効利用、和洋二重の衣生活合理化などで、東京日日、大阪毎日両紙と被服協会が前年11月に行なった公募の入選作品を基にデザインされた。古代紫色の組紐の「国民服儀礼章」を胸につければ礼装になった。官吏や教員を手始めに一時は広く普及したが、敗戦後は着られなくなった。
※参考資料
・HP「諏訪市博物館」/「国民服令」
・『日本史大事典』(第三巻/平凡社/1993年)
・HP「日本大百科全書(ニッポニカ)」小学館
・HP「artscape」