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梅文銀象嵌鋳銅花瓶

うめもんぎんぞうがんちゅうどうかびん

概要

梅文銀象嵌鋳銅花瓶

うめもんぎんぞうがんちゅうどうかびん

金工 / 昭和以降 / 富山県

本保桂泉  (1910~87)

ほんぼけいせん

富山県高岡市

昭和45年/1970年

銅合金,銀・鋳造,象嵌

高16.1cm×径22.4cm(口径7.6cm)

1

富山県高岡市古城1-5

資料番号 3-03-01-15

高岡市蔵(高岡市立博物館保管)

 高岡川原本町の象嵌師・本保桂泉の花瓶である。花瓶の口から胴にかけてふくらみ、高台へ向かってすぼむ「寿型」とされる器形である。肩部には桂泉が得意とした銀線象嵌で帯が作られ、内部には卓越した象嵌技法により梅文と笹の葉のような文様がリズミカルに配されている。全体的に濃い焦げ茶色で着色され、笹の葉のような部分にはうっすらと明るい茶色が着色されている。
 高台裏には篆書体で「桂泉」と彫金された銀の小板が嵌められている。
 箱書きにあるとおり、桂泉が還暦を迎えた昭和45年の11月30日に出生した孫浩史氏(二男・寄贈者の長男)の誕生祝いの品であるという。状態も良く、共箱も備えており、本資料の価値を高めている。ちなみに作品は高岡市美術館が「肉出し柿文鋳銅花瓶」(1980年)、及び「蕨文象嵌透彫鋳銅花瓶」を収蔵している。



【本保 桂泉】ほんぼ けいせん  
 明治43年(1910)3月17日生~昭和62年(1987)6月18日没
 彫金(象嵌)師。本名・勇蔵。勲七等旭日章叙勲・日本工芸会正会員・高岡銅器伝統工芸士(通産省認定)。

生まれは高岡市金屋町の鋳物屋(のち高岡市川原本町に居住)。6男1女の末子。

・大正11年3月  川原町尋常高等小学校卒業
・大正13年頃  富山県立工芸学校彫金科中退
(この後、市内の彫金家に4年間弟子入り。22歳(30歳とするものもある)で独立。書道と日本画も独学した)
・昭和30年3月 高岡工業協会模範表彰
・昭和41年4月 高岡彫金組合長就任(のち顧問)
・昭和47年6月 第2回伝統工芸日本金工新作展2点入選(以後、計13回入選)
・昭和47年9月 第19回日本伝統工芸展初入選(以後、計6回入選)
・昭和48年5月 第12回日本伝統工芸富山展金賞受賞
・昭和48年6月 第3回伝統工芸日本金工新作展2点入選
・昭和49年10月 第21回日本伝統工芸展入選(線文鋳銅花瓶)
・昭和50年 第5回伝統工芸日本金工新作展入選
・昭和50年9月 第22回日本伝統工芸展入選
・昭和51年3月 通産省指定第1回伝統工芸士認定
・昭和51年4月  第15回日本伝統工芸富山展銀賞(高岡市長賞)受賞(十二支線文鋳銅花瓶)
・昭和51年9月  日本工芸会正会員認定
・昭和51年   第6回伝統工芸日本金工新作展入選
・昭和51年9月  第23回日本伝統工芸展入選(菱線文鋳銅花瓶)
・昭和54年   第26回日本伝統工芸展入選
・昭和56年   第28回日本伝統工芸展入選
・昭和58年   第30回日本伝統工芸展入選

※寄贈者によると、絵画を中島秋圃(工芸学校絵画教師)に、書を西野某(弘道ではない)氏に師事したという。

(参考 付属品の「略歴」、及び寄贈者よりの情報やネット上の日本工芸会公式HP等による)

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