黒書院牡丹の間東貼付南より13
概要
本図は牡丹の間東側の戸襖貼付十四面の内、この紅梅図は北側六面分にあたる。この紅梅図襖は、元来大広間物置に嵌められていたことが判明しているが、襖の内、南から二枚目の襖、即ち大広間四の間西側の襖と表裏であったと思われる部分に鷹の下絵が描かれているのが注目すべき点である。白梅図が素地に墨画で淡彩、そして金泥を施すのみの余白を多く残した画面構成であるのに対し、紅梅図は金地に彩色で紅梅を描き、金雲と金地の地面との隙間には群青の水辺や土坡を描くというような画面構成になっていて、白梅図とは対照的な印象を受ける。金碧画ではあるが、抑えられた色調や樹形等にリズミカルな枝振りを示す作品である。
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