三角縁同向式神獣鏡 さんかくぶちどうこうしきしんじゅうきょう

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考古資料 / 古墳 / 群馬県 

出土地:群馬県高崎市 蟹沢古墳出土
古墳時代・4世紀〔中国製・正始元年(240)在銘〕
青銅製
直径22.6
1面
重要文化財

 古墳時代の銅鏡(どうきょう)の中で、最も有名なのがこの「三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)」でしょう。鏡を断面で見た時に、縁(ふち)の部分が三角形になることから、その名前があります。神獣(しんじゅう)とは、神や仙人(せんにん)と、聖なる獣(けもの)のこと。中国で二~三世紀ごろに流行した神仙(しんせん)思想の影響を受けています。人々は、超自然的な力を持ち、不老不死であるという仙人を信じ、それに憧れました。そこで、それまでは幾何学模様が中心であった鏡の装飾にも、このようなモチーフが使われたのです。この鏡には、真ん中のひもを通す鈕(ちゅう)を中心に、羽のはえた仙人と聖なる獣が交互にあらわされています。人物の頭の位置を見ると、この鏡には上下があることがわかります。
 この作品で最も興味深いのは、その制作年です。先ほどのモチーフを取りかこみ、時計回りに銘文がめぐっています。最初の一文字は欠けていて読み解くことができませんが、二文字目から「□始元年陳是作鏡…」とあるのは、陳是(ちんぜ)という作者の鏡だということです。冒頭の欠けている文字は、同じ鋳型で作られた別の鏡から「正始(せいし)元年」だとわかりました。正始とは中国の年号で、西暦でいうと240年にあたり、この一年前に当時の日本から、倭(わ)の国の卑弥呼(ひみこ)が、中国にあった国、魏(ぎ)に使いを送っています。そしてこの正始元年に、魏から倭に鏡や刀などの返礼品が送られています。つまりこの鏡は、その時の返礼品として特注されたものの一つであった可能性があるのです。しかし、まだまだ謎が多く、断言することはできません。さらに、この「三角縁神獣鏡」という種類の鏡は、中国では現在に至るまで一枚も見つかっていません。そのため、この種類の鏡が当時、中国の影響を受けて日本で作られたという説もあるのです。

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