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赤壁賦

せきへきのふ

概要

赤壁賦

せきへきのふ

/ 江戸

巻菱湖筆

江戸時代・天保10年(1839)

絹本墨書

縦177.0×横72.3

1幅

 「赤壁賦(せきへきのふ)」は、中国・北宋の文学者・蘇軾(そしょく)が作った前後二編の韻文です。蘇軾は客と舟を浮かべて酒を飲みつつ、3世紀に起こった歴史的な会戦「赤壁の戦い」に思いを馳せてこれを作りました。
 この作品は、江戸時代後期の書家・巻菱湖(まきりょうこ)が、端正な隷書(れいしょ)で「赤壁賦」の前編を書いたものです。巻菱湖は今の新潟の出身で、江戸に出て儒学を学びました。とくに詩と書にすぐれており、石に刻まれた古代の文字・金石文にいたるまで、中国のあらゆる書法を研究しました。そして、楷書、行書、草書、隷書などさまざまな書体を書き分けました。いってみれば、書体マニアですね。お手本になる中国の書が少ない当時の日本で、断片的な用例をつき合わせて書き方のルールを発見し、古代の文字の一定のフォントを見出したわけです。この作品も、隷書で書かれた「赤壁賦」の手本を丸写ししたわけでなく、作者の熱心な研究によって、一文字一文字の書き方を復元したものだと思うと、ちょっと見方が変わりそうですね。

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