讃岐の醤油醸造技術
さぬきのしょうゆじょうぞうぎじゅつ
概要
讃岐の醤油醸造技術は、わが国有数の醤油の産地である讃岐地方に伝承されてきた醤油づくりの技術である。讃岐における醤油の醸造は、瀬戸内の温暖な気候や恵まれた海運上の立地などを背景に、小豆島や引田などの地域において近世以来、盛んに行われてきた。
醤油の醸造は、「一麹、二櫂、三火入れ」といわれるように、麹づくりが重要であり、引田(東かがわ市)では、麹室の中で、原料を均一に広げた筵を何段にも積み重ね、手入れや温度調整を繰り返し行いながら醤油麹をつくる「むしろ麹」の技術が伝承されている。
また、小豆島(小豆島町・土庄町)では、大型の木桶を用いた天然醸造による醤油づくりの伝統がよく残されており、近年は、木桶の製造技術の継承にも努めている。