レマン湖

絵画  油彩画 / 明治 / 日本 

藤島武二 (1867-1943)
ふじしまたけじ
1908(明治41)年
油彩・板
23.6×33.0
額装

 藤島武二は、この作品を制作した年の一月、パリからローマに移り住んだ。振り返ってみると、彼の留学の成果はフランスでよりもこのイタリアでこそ実ったといえそうで、後の単純で力強い構図と色の感触の基礎がかためられるにいたる。
 たとえば、この「レマン湖」。小品とはいえ、そしてその筆づかいの息はまだ短く細いけれど、まぎれもなく藤島の色がうまれつつあるのをぼくらは確かめることができる。
 レマン湖はスイスのフランス語圏にあり明媚な風光で知られるスイスでも屈指の観光地である。藤島はまだドイツ語圏のルツェルンなども踏破、つごう二カ月にわたってスイスに滞在し、「ヨット」「風吹く日」などの風景画を描いてローマに戻っている。
 ところが留守中その下宿さきが泥棒にねらわれ、パリで制作した作品をふくめて大半を失ってしまうという災厄にみまわれた。しかしそれは不幸だったのかどうかは、にわかに決めがたい。このあとの藤島のローマでの作品には目を見張るものがあるのだから。(東俊郎)

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