埴輪 男子農夫像
ハニワ ダンシノウフゾウ
概要
人物埴輪は、家形埴輪や蓋(きぬがさ)・さしば・楯・甲冑などの器財埴輪、水鳥や馬などの動物埴輪につづいて5世紀中頃から古墳を飾った。とくに人物埴輪は関東地域で盛んにつくられ、その種類も巫女や踊る人、盛装の人、武人、農夫、琴を弾く人、鷹匠など豪族から庶民までさまざまな人々の姿が造られた。 この人物埴輪は、菅笠をかぶり、大きな美豆良(みずら)を結い、丸玉の頸飾りをした男子で、腰には小刀を帯び、右肩に鍬をかついでいる。 横穴式石室の普及によって葬制もかわり、あたかも死者を送葬するかのように、さまざまな人物や動物が石室の前面に並べられた。人物埴輪は当時の服装や習俗を知る上でも重要な資料でもある。