刀 銘 備州長船源兵衛尉祐定作/天正五年八月日
かたな めい びしゅうおさふねげんべえじょうすけさださく/てんしょうごねんはちがつひ
概要
鎬造、庵棟、中鋒やや伸びる。刀身の表に「八幡大菩薩」、裏に阿弥陀如来・不動明王・大日如来と思われる梵字を刻む。鍛は板目に柾がかる。刃文は小互の目、沸つく。帽子は表焼詰め、裏尖り気味に湾れ込んで小丸に返る。目釘孔3つ開け、うち2つを鉛で埋める。指表に「俻州長舩源兵衛尉祐定作」の刀工銘、指裏に「天正伍年八月日」の年紀銘をそれぞれ切る。祐定は、室町時代中期から末期にかけて作刀を行った、「末備前」と総称される刀工のひとり。祐定の在銘作をみると同銘の刀工が複数存在したらしく、本品にある「源兵衛尉」のほか「与左衛門尉」「彦兵衛尉」「彦左衛門尉」「十郎左衛門尉」などの通称が知られる。