齋神社本殿
いつきじんじゃほんでん
概要
京都府綾部市に位置する一間社流造、板葺の社殿。身舎の正側面三方に刎高欄付きの縁を廻し、脇障子を建て、正面に木階を備える。建立年代は、庇の角柱や肘木、垂木の大きな面取、軒桁や垂木の反り、部材の加工痕、絵様繰形など、細部の技法や意匠から、室町時代中期と推定される。身舎と庇を繋がず手挟を付す点、身舎の妻虹梁から造り出す実肘木、庇桁下に一材で通した実肘木、身舎の連三斗に皿斗を用いる点は同時期・同地域の神社建築には珍しい。また、粽付の円柱、礎盤、妻飾りの虹梁大瓶束など禅宗様の要素も見られる。丹波地域における中世神社本殿として歴史的に重要である。