黒書院一の間西付書院障子南より1
概要
戸襖には紅梅の巨木を中心に、後方から桜を、根元には芝垣を配する。桜は梅に寄り添うように描かれ、早春から春の盛りへと季節の移り行く様子が静かに表現されている。西面の図様は一の間から二の間へ桜の枝の伸びを通じて展開している。金地に水墨で描かれている長押上の壁貼付には、手前の建物群から奥の寺院へと向かう二人の人物が描かれる。この部分は、梅や桜の咲く「やまと絵」の華やかな長押下の画面とは全く異なる趣をもって構成されている。こうした水墨の表現は二の間の、全ての長押上の小壁に共通する。
(注)一の間西側から二の間西側、南側にわたる金地墨画山水図のひとつ。前景に楼閣、遠景に岩山を金雲に包まれたかたちで描く。
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