郷愁

油彩画 

浅原清隆 (1915-1945)
アサハラ、キヨタカ
昭和13年/1938
油彩・キャンバス・額・1面
111.1×148.8
左下に署名、年記
8回独立展 東京府美術館 1938

43
郷愁   一面

浅原清隆

油彩・麻布
一一一・一×一四八・八
昭和十三年(一九三八)
東京国立近代美術館
渡辺美枝子氏寄贈

兵庫県の生まれ。帝国美術学校に学ぶ。在学中に同級生とグループ「表現」を結成し、シュルレアリスムの影響下に前衛絵画の探究を行った。「郷愁」は青が画面を支配する、静寂にみちた幻想的な風景画である。画面の上半分は空、下半分は海、そして水平線には島のようにも、生物の器官の一部のようにもみえる紫色の物体がひろがっている。その一部が破れたところに、桃色のドレスをまとった女性が手を合わせて立っている。シュルレアリスムというにはあまりに抒情的なこの風景は、浅原の故郷である播磨の海岸の夜の情景を描いたものといわれ、また中央に措かれた物体と女性には、彼の胎内回帰の願望を読み取ることができそうである。この、現実から逃れようとする指向は、逆にいえば戦争へと向う現実社会に対する作者の危機感を示すものに他ならない。シュルレアリスムの象徴表現をかりて時代の不安を逆説的にうたった彼は、昭和二十年(一九四五)にビルマで戦没した。


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