或る日の太平洋

日本画 

横山大観 (1868-1958)
ヨコヤマ、タイカン
昭和27年/1952
彩色・紙本・額(アクリル等)・1面
135.0×68.5
右下に落款、印章
37回再興院展 東京都美術館 1952

34
或る日の太平洋
A Day in the Pacific Ocean
1952年
紙本墨画・額 135.0×68.5cm
敗戦という形で太平洋戦争が終結したあと、日本画の置かれた状態はきわめて厳しいものであった。敗戦直後の状況はしばしば価値の転換あるいは価値の無政府状態という言葉で語られるが、そのひとつの現象が自由主義、民主主義の強調と、伝統的、国粋的思潮に対する徹底的な否定であった。戦時体制下において国粋主義的な潮流に支えられていた日本画が、戦後激しい批判にさらされたのはむしろ当然であったのかも知れない。
しかし華麗な画歴をほこる横山大観は、さまざまな批判にも動ずることなく、自らの姿勢を守り通した。彼は批判によって作風を転じなければならない理由を見いだすことができなかったし、現実問題として1945年の時点ですでに77歳の高齢に達しており、時代の潮流に対応しようとする気持ちも持ち合わせていなかったようである。逆巻く波涛の彼方に霊峰富士を望み、海中に龍をひそませた晩年の傑作《或る日の太平洋》は、戦いに敗れた祖国に対する老画家の屈折した思いと、時代の流れに抵抗する強固な意志が示されているように感じられる。第37回院展に出品された。

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