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サーカス

概要

サーカス

油彩画

野田英夫  (1908-1939)

ノダ、ヒデオ

昭和12年/1937

油彩・キャンバス・額・1面

101.0×86.5

右下に署名、年記

2回新制作展 東京府美術館 1937

81
サーカス
Circus
1937(昭和12)年
油彩、麻布 l01×86.5cm
oi1 on canvas
第2回新制作派協会展
二世としてアメリカに生まれ、日本で中等教育を終え、アメリカに帰って画家となった野田英夫にとって、人々のいる情景とはつねに、参加し帰属すべき世界というよりも、傍らにたたずんで眺める風景として、つまりイメージとしてあったのではないだろうか。遠のいていく街並みや上から見おろされた街かど、寄せ集められ重ね合わされたモンタージュの情景など、彼の視線はいつも、ある乾いた抒情性をたたえている。
〈サーカス〉では、そうした世界への隔たりは、三人の孤立して立つ人物の中に客観化されている。顔の表情、向き、しぐさには何らの連帯感も見られず、画面の中央を縦断する開いた空問は、登場人物を三つのブロックに分断している。1937年に帰国し、この作品を新制作派協会展に出品した野田は、““もうひとつの故郷””である日本に腰を落ち着け、制作に専念しようとしていた矢先の、1939年に急死した。

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