「宝生流作り物之記」
ほうしょうりゅうつくりもののき
概要
墨付47丁、安政四年写。所収曲から見て宝生流の作物付。冒頭に「作り物附」があって曲目別に作物・道具の一覧を示し、改丁して曲ごとの作物と道具の彩色絵図・寸法・演出や類例に関する注記を示す。実際に見出しとして絵図に掲載されるのは「作り物附」167曲の内の90曲。末に白紙2丁があって奥書となる。なお表紙に用いられた番組は、明治初年頃京名古屋等諸家能番組(イ11-619)に所収の番組の重複残余分と思われる明治五年六月安海熊野神社祭礼能のもので、「翁・加茂/御田・景清・楊貴妃・道成寺・熊坂・付祝言・靱猿・縄なひ・痩松・福の神」、小久保彦十郎・大野藤五郎・土屋喜一郎・伊藤高蔵ら。明治初年頃京名古屋等諸家能番組(イ11-619)(イ11-620)の編者で本書の書写者でもある川崎千虎は、岐阜出身の大和絵師で一時名古屋に住し、上京後は東京美術学校教官でもあった。装丁も書写者自身によるのであろう。[イ11-417]
所蔵館のウェブサイトで見る
早稲田大学坪内博士記念演劇博物館