能郷の能・狂言
のうごうののうきょうげん
概要
本巣郡根尾村能郷白山神社の四月十三日の祭りに演じられる能、狂言で、能には「翁」「高砂」「浪速」など、狂言では「百姓狂言」「餅酒」「たわけ婿」など二十二曲が伝承されている。能の舞は様式的な繰返しの型も多くあるが、「翁」の前に舞う千歳のことを露払いと呼ぶなど古風が残され、また万歳楽のくだりで願主の名を唱えながら舞うあたりは神事能の性格をよくあらわしている。演技・演奏法に地方的特色が顕著であり、中央の五流の能や狂言の影響を受けた点で、能楽の変遷過程を知る上に重要である。