大湯環状列石
おおゆかんじょうれっせき
概要
大湯町の西南約3粁に位し大字中通の丘陵台地に存する遺跡で、国道をへだてて二箇所に河原石の敷列による遺構が存する。東側にあるものは小字野中堂に西側にあるものは小字万座に屬する。いづれも列石帶がほぼ環状にめぐらされているもので、環帶として明かに認められるものは内外の二重であるが更に中心部にも列石がたどられる。野中堂遺構は外径約40米内外、万座遺構は外径約40数米内外を算する。
これ等の環状列石帶は中央の柱石を中心とする円形の石組又は菱形の石組等の複合によって構成されたものとみなされるが、なお列石帶を離れて内外環帶の中間に中心に柱石をおき周囲に放射状に河原石を敷設した整美した石組が配されている。遺構は火山灰層によって掩われており一帶に縄文土器・石器・土偶等を包含している。縄文式文化に属する遺構とみなされわが国におけるこの種の遺構として稀有のものである。