生駒十三峠の十三塚
いこまじゅうさんとうげのじゅうさんづか
概要
我が国の各地には塚に対して特別の信仰を寄せる習俗がみられる。十三塚もその一つで、13基の塚が並んでいるものに対して命名されたものである。供養塚、境界指標、修法壇などの性格が指摘されているが、近年では、その名称を「十三仏塚」とするものもあることから、15~16世紀にかけて成立展開した十三仏信仰にともない築造されたとする説が有力である。
生駒十三峠の十三塚は、大和国と河内国の国境にまたがって所在し、河内から大和へ抜ける十三街道の十三峠の北側にある。13の塚は稜線上に列状をなし、最高所に中央の王塚がひときわ大きく築かれている。王塚は、神武天皇の皇后の御陵で小塚は殉死者の塚であると伝えられ、塚に触れると崇りがあり、塚に雨乞いをし、塚に祈ると災難や疾病が平癒するといわれる。王塚の裾には割石の石敷が設けられ、側に「十三塚」と陰刻した仏像がある。