紅型
びんがた
概要
紅型は、固有の色遣【いろづか】いや意匠により沖縄の伝統文化を伝える染色技法で、それが大きく発展したのは十八世紀ころのことである。琉球王府時代、紅型衣裳を着用できるのは士族階級以上の人たちに限られ、ことに華やかな大模様のものは王族など特定の階級のみに許されるものであったといわれる。
伝統技法は、ルクジュウ(豆腐を陰干しして固めたもの)を下敷きにして彫刻された型紙や糊筒【のりづつ】を用いて布地に糊を置き、模様部分には染料、顔料【がんりよう】で色差【いろざし】をして隈取【くまどり】(暈【ぼか】し)を行い、糊伏【のりぶせ】した後、地色を染め仕上げるものである。
特有の意匠および顔料摺込【すりこみ】技法等から琉球王府と日本本土、中国、東南アジアとの文化交流が認められる紅型は、友禅染、小紋染等と並び、工芸史的、芸術的に価値が高く、かつ、地方的特色を顕著に示すわが国の代表的な染色技法である。
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