筒描阿波藍染
つつがきあわあいぞめ
概要
筒描は江戸時代中期より発達した米粉の糊防染によるわが国固有の染色技法である。江戸時代、木綿栽培が全国的に広がりを見せるとともに、その染料となる藍の栽培も盛んとなり、徳島の藍は全国に名を馳せるようになった。筒描は木綿と藍とともに発展の道を辿り、全国津々浦々の紺屋で、庶民の暮らしを彩る華やかな晴れの文様が染められた。筒描は注文による一品製作で、婚礼等の庶民の晴れの場を飾ってきた。近代化の波により豊かな手仕事の文化は消滅の危機にあるものの、徳島市の一角で筒描きの伝統が今もなお守り継がれている。また、藍建ては徳島で一般的に継承されてきた藍玉を用いた古法で、記録に留めるべき技法である。